発売以来、ずーっと売れ続けている「ベスト&ロング」セラーのビジネス書です。
読んだ方もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
好き嫌いはあると思いますが、ビジネス雑誌で紹介される「これだけは読んでおきたい本」に必ずランクインします。
自己啓発書ではありますが、押しつけがましい、堅苦しい印象は一切ありません。
話としては、自己変革の取り組みが続かないが上昇志向は持ち続けている20代の若者の前に、ある日突然、関西弁の、自称神様という象のガネーシャが表れ、「サクセスをつかみたければ俺のいうことを聞け」というところから始まります。いい加減で、自分勝手で、超がつくほど属人的なガネーシャに振り回されながらも、彼の教えて着実に変化をしていくというストーリーです。特別何かのサクセスをつかんだという結末になっていないところが現実的でしっくりきます。そもそも成功やなりたい姿は人それぞれですから、大事なことはプロセスですから、展開としては実にいいと思います。
改めて、「生きていく上での姿勢」というものを再認識させられた気がしました。
以前、斜め読みで読んだときには、あまりグッとこなかったのですが、今回は食い入るように、東京~山形の新幹線の車中であっという間に読了しました。
ガネーシャが、主人公にいった言葉(教え)でいくつか印象に残ったものは以下の通り。
( )のなかは、その本質的な意味です。
人が欲しがっているものを先取りする(相手のニーズを考えて行動する)
まっすぐ帰宅する(自分の目標に向かって、インプットをする)
一日に何かをやめてみる(何かを得たければ何かの代償を払うこと)
決めたことを続けるための環境をつくる(変えるのは意識ではなく環境)
明日の準備をする(入念な準備があって成功はある)
身近にいる一番大事な人を喜ばせる(自分に一番大切な人に義理を果たす)
求人情報誌を見る(市場の変化を読む)
やらずに後悔していることを今日から始める(夢をあきらめるな)
毎日、感謝する(結局人は、周囲に支えられて生きている)
そして、印象に残ったのが、ガネーシャが「自己変革に向けた決意が、どうして長く続かないのか」という事について、主人公にいった言葉。
変われるかもしれないと期待をしてはいけない。期待は感情の借金だから。
まだ何も苦労をしていないのに、成功するかもしれないという「高揚感」を前借りして気持ちよくなっている。
でもそのうち、そんな簡単に成功できないという現実にぶちあたる。
そのときに、「先に気分良くなったんだから、その分返してもらいますよ」と返済を迫られへこむことになる。
これを繰り返すことでどんどんやる気がなくなっていく。
確かになるほどそうだと思った。
そして、そのくだりの続きで
知識を頭に入れるだけでは人間は絶対に変われない。
人間が変われるのは「立って、何かをしたときだけ」だ。
意識を変えるのでない、具体的な何かを変えないといけない。
とあった。
そう、その通り。当たり前なんだけど、とても新鮮なフレーズだ。
あっという間に読み終わったが、自分自身の問題として、またコンサルタントいう仕事をしている人間として、改めて大事なことを確認できた。
それは、成功のために多くの原理原則を学ぶことは重要だけれども、最も重要なことは、「実行する」こと、「前進する」こと、「成功するまでやめない」ことだということだ。
年齢、職種、業種に関係なく、全ての方におすすめの一冊です。