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「新・ぶら下がり社員」症候群


出版社: 東洋経済新報社
著者: 吉田実

著者は、人材育成のコンサルタント会社「シェイク」の代表者吉田さんです。このシェイクさんは、私のクライアント先でもおつきあいしているところが多く、選抜系のリーダー研修や若手の組織コンサル等でその手法には注目が集まっています。同業者ながら、私も同社のプログラムは已前より大変に興味深考察しておりました。

 

さて、そのシェイクさんがリリースしている人気プログラム「ミッション・クエスト」(30歳前後の若手を”本気”にしていく教育プログラム)がありますが、本書はそのプログラムの重要性と、そこに至る背景、現場の状況がわかりやすく書いてあります。

 

もともとこの書籍を購入したのは、タイトルに惹かれたこと、厳密にいうと帯に惹かれたことがあげられます。

どこにでもいそうな草食系の30歳手前の若者が真面目そうな表情で「辞めません、でも頑張りません」 「ゆとりより、30歳が危ない」「いま、30歳社員に何が起きているのか?」という帯がついていて、「新・ぶらさがり症候群」ときたら、もうこれは人事教育関係者としては「即買い」ですね(苦笑)

 

若手社員については、ほぼ全てのクライアントから「元気がない、覇気がない」「言われたことしかやらない」「帰属意識がうすい」と異口同音に危機意識を抱えています。また本書は、ゆとり世代といわれるここ2~3年に入社した若手ではなく、7~10年くらいの中堅クラスにフォーカスしているところがポイント。この世代の人たちの特性を「新・ぶら下がり症候群」と呼んでいるわけです)が、何故そうなってしまったのかを、体系立てて書いてあります。単に会社が悪いということではなくて、(上司と部下、または会社と若者の)お互いのアプローチが合わなかったことが現在の状況を生み出していることをあげ、もう一度、若者たちとの向き合い方を考えようじゃないかという主旨のものです。。

 

前半部分ではその背景を解説し、後半では多くの事例を引用して、どうやってこの「新・ぶら下がり症候群」を変えていくのかが書かれています。

その答えとして

人を変えていくのは「ミッション(何のために働くのか)を見つけることである。

そのミッションを見つけるためには

逃げ場のない葛藤経験→自己を俯瞰した内省→自らの意思に基づいた決断

といったプロセスを踏んでいく必要がある。

 

特に私が印象に残ったのは、「逃げ場のない葛藤経験”ということについて、「人は燃えることが重要だ。燃えるためには薪が必要である。薪は悩みである。悩みが人を成長させる」という箇所です。

 

確かに、悩みがないと人は成長も前進もしませんよね。

私がよく、研修現場で受講者にお話しするのは、「悩んでいるのと困っているのは違う」といいますが、まさにこれと同じです。

 

若手社員の育成で少し苦戦されている方、必読の一冊です。

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