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挫折力


出版社: PHPビジネス新書
著者: 富山和彦

本書は、クライアント先人事セクションのマネージャーからご推薦いただきました。著者は、複数のコンサルファームを経て産業再生機構でCOOを務めた、いわば「企業を活性させる」プロ中のプロです。著者のこれまでの経験は勿論のこと、産業再生機構で関わった「良くない事例」を引用しながら、これから先の変化対応が激しい時代を、どう生き抜いていくかの指針を示しています。

そもそも「挫折力」とは何ぞやという疑問にぶつかりますが、筆者も前書きで次のように定義しています。「挫折を愛し、乗り越え、活かしていく力」と簡潔に表現しています。その後に、単なる挫折から立ち直る方法論ではなく、「挫折をしない人生ほど窮屈でつまらないものはない」「挫折をした人だけが、実り多い豊かな人生を送れる」とつづり、つまりは「積極的に挫折を体験し、それを乗り越えることで、これからの時代に通用する力を身につけよう」という前向きな方法論であると定義しています。

そもそも筆者がこの本を書こうとした3つの理由、一つは、年功序列、終身雇用制度あ事実上崩壊し、ベルトコンベアーに乗っかっていける時代ではなくなったこと。二つ目には著者の個人的な体験を通いて挫折を乗り越えた人、企業は非常に「強い」ということ。そして三つ目として、これだけ環境変化が激しい時代、リーダーを目指す人に挫折、失敗というものは不可避なものであるということ。いずれも説得力のある理由です。先の見えにくい、いわゆる「不確実性の時代」にどう生きていくのかという主旨の書籍は数多くでておりますが、この切り口は斬新というか新鮮でした。

全体として全5章にわたり、短編のコラムが数多く入っていますので、どこからでも読めますし、各コラムの最後に結論というか教訓が示してありますので、「腹おち」もしやすいかと思います。

全5章はとは、①挫折こそ成長への近道 ②ストレス耐性を高める ③人間関係の泥沼を楽しみ糧にする ④捨てる覚悟 ⑤リアルな「権力」を使いこなす となっています。

私的には

「人間は失敗からしか学べないもの。だから優等生人生は、不機嫌な人生。役に立たないリーダーへの道を約束している」

というフレーズが印象に残りました。何だかまさに世相を反映していますよね。

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