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カンブリア宮殿 <特別版>


出版社: 日本経済新聞出版社
著者: 村上龍×孫正義

本書は、作家村上龍がホストを務める対談番組「カンブリア宮殿」(毎週木曜10時テレビ東京)で、昨年夏に放映され大反響をよんだ、ソフトバンク孫正義社長が出演した回のものを書き起こしたものです。私もTVで観たのですが、確か合計で3回出演されたような記憶があります。

孫さんの立志列伝は、以前より雑誌やメディアで知りうる機会もありましたが、この番組で初めて知ったことも数多くあり、大変に感銘を受けました。今回、帰京時の大阪空港の書店で見つけ、自宅に帰り着くまでの約2時間であっという間に読み終わりました。心に残るエピソード、キーワードがありましたので、いくつか紹介します。

つながりにくいといわれることの多いソフトバンク、これは一番通りの良い800キガヘルツの電波をもらえていないことが要因ですが、国の許認可がないことは言い訳にならない

アメリカ留学時代、マイクロコンピューターのチップの拡大写真を見て、「人間より能力が上になるものを人間は初めて発明してしまった。あまりの感動で、立ったまま両手両足の指がジーンとしびれてきて、涙がボロボロ止まらなくなった」

事業がようやく軌道に乗り出した会社創設5年目頃、満船肝炎を患い下手をすると5年以内に死ぬかもしれないといわれたとき、「究極の自己満足とは、結局人に喜んでもらうことじゃないか。人が心から喜んで、笑顔で「ありがとう」と言って感謝してくれたらそれが一番の自己満足だなということを、その時に心の底から思ったんです。

新規事業参入にあたって、「七割以上勝つ確率がないと算入しません。五分五分だったら絶対やらないです。九割になるまで待つと、手遅れになります」

韓国籍(在日三世)、そのことが直接的・間接的に様々な苦労や悩みをもたらしていたが、結果としては乗り越えたことについて「同じ人間なのだから、同じ努力さえすれば、同じようにやれるんだということです。だからコンプレックスなんか持つ必要はない」

国籍のことで悩んでいた孫青年が高校一年生の夏休み、英語研修で滞在したアメリカで志を立てる。アメリカでは人種や国籍は関係ない。実力があれば自分にもチャンスがある」とアメリカ留学を決意。(事実、久留米大敷設を中退してアメリカの高校に。猛勉強し飛び級で大学を卒業したのは有名な話)そんな矢先、父親が病に倒れる。「父親が血を吐いて、生きるか死ぬかのところでさ迷っている時に、お前は父を置いて一人でアメリカに行くのか、自分のエゴのために行くのかと、母は泣きました。友達も先生も、全員止めました。ばあちゃんも心配して、行くなといわれて、泣いて泣いて暮らしました。そのときに腹をくくったんです」


と、ざっと書き出しただけでも、参考になるというか、刺激になるというか、いろんな意味で勇気を与えてくれます。孫さんの凄いところはやはり、志の高いところ、そして必ずやり遂げようという執念でしょうか。一事業家というより、男として、人間として尊敬できる「生き方」だと思います。(ご本人にあったことがないのであえて「生き方」としました。)

奇しくも同時期に読んだ月刊誌「PRESIDENT(2011年3.7号)」の特集は「孫正義の白熱教室」でした。こちらも完読しましたよ。2冊とも読むと、「孫正義的生き方」がよく理解できると思います。

こちらで紹介されていたエピソード。

ITバブルがはじけ、ソフトバンクの株価が100分の一になったときに株主総会。詐欺師、ペテン師と罵詈雑言を浴びせられたが、それでも孫社長は自分の揺るぎないビジョンを語り、必ず実現するという強い意志をもって、全ての質疑応答に正面から取り組んだ。そのとき、ある初老の女性株主が発言した。「私は主人が一生懸命勤め上げて定年退職したその退職金1000万という全財産をソフトバンクの株にしました。ところがその大切な財産はあっという間に100分の一になってしまいました。でも、今日、あなたの話を聞いていて、あなたの夢にかけてよかったと改めて感じました。これからも頑張ってください」と。この一言を皮切りに、総会の雰囲気は徐々に変わってきて、六時間たって終了した株主総会は大拍手で終わった。。。。

このエピソード、私思わず、涙が出てきました。

理屈抜きに面白いです。是非、2冊ともよんでみてください。

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