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ワークライフ"アンバランス"の仕事力


出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
著者: 田島弓子

ワークライフバランスという言葉は、現在ビジネスおいてはトレンドになっているキーワードではありますが、その否定形にも聞こえるその言葉を通して(実際は否定していませんが)、働くこと、仕事に夢中になることの醍醐味が展開されています。著者は、マイクロソフトの法人営業部長を勤めた女性の方で、当時で女性の営業部長というのは珍しく、社長賞も2回受賞したまさに「やり手」の方。私と同じ年なんですよね。著者は、新卒で入ったIT業界向け展示会の会社を皮切りに2回の転職をしていますが、彼女が何故そこまで仕事に夢中になれたのかを、実体験を通じて書かれています。仕事にどっぷりはまっていたと思うのですが、読んでいて少しも窮屈さや暑苦しさのようなものがありません。

そもそも筆者が定義するワークライフアンバランスとは、「アドレナリンが噴き出るくらい、本気でハマること。仕事を面白くやりがいのあるものにすること。」としてあります。だから、長い時間働くとか、仕事中心でいようといったものが、中心におかれているわけではなく、自分の目の前のことを一生懸命やる、自分の仕事を好きになる、誇りをもってやる。それが結果として、「ハマって、アドレナリンが吹き出る」ということになるのかもしれません。

 

著者がアンチテーゼとしているのは、ワークライフバランス(ゆとりをもって自分らしく働く)に対してはなく、「ほどほど、そこそこ、失敗しないように」というような計算された、一見スマートにみえる生き方(決してスマートではありませんが)に対してだと感じました。ワークライフバランスがいつしか勘違いされて、仕事を”適当にきりあげる”ことに流れていくことへの警鐘ともいえるのではないでしょうか。自分の目の前にあること(一般的には仕事でしょうか)に夢中になって、泥まみれになって、失敗を恐れず果敢に進んでいく、そんな一見バランスの悪い、でも地に足のついた生き方をしようということだと思います。

 

筆者は「アドレナリン」という言葉を使っていますが、みなさん「アドレナリン」が出ているのを感じることってありますよね。私は日常から、特に研修中に自分でしゃべっていて、思いが高ぶって、アドレナリン出まくり状態をよく経験します。

筆者はアドレナリンが出まくる状態をつくる3つのルールとして

○学ぶべきことは全て現場から学ぼ(よく現場を観察して、気づきを増やす)

○目の前の仕事を完璧にこなす(目的と目標を明確にして集中する)

○仕事は「ハマって」やる(自分の限界値に挑戦する)

この3つの前提があっての、仕事のさばき方や人とのつきあい方が解説してありますので、非常に読みやすかったです。

 

今、世間では残業削減や労務管理がうるさく、筆者がいうような働き方ができない会社も現実的にはあると思います。ですが、大事なことは「考え方」特に若手社員は是非読んでいただきたいと思います。

 

これだけ信念をもってやってきた筆者だからこそ、説得力があった言葉。

キャリアは「つくる」ものではなくて「つくられる」もの

自分を信じて、常に全力投球・真っ向勝負で生きていきたいものです。 

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