VIBRANCE

人生で大切なことは全てプラスドライバーが教えてくれた


出版社: 経済界
著者: 原マサヒコ

本書は、第19代総理大臣の原敬さんの子孫である著者が、トヨタ自動車の販売店で働いていたときの実話を元にした作品。総理大臣の子孫という触れ込みはこのストーリーに全く関係ありません(苦笑)。また”営業マンとして大成功を収めた”なんていうストーリーではなく、ちょっとだけ車が好きだったというだけで自動車整備工の道を選んだ平凡な少年が、メカニック(サービス)部門での仕事を通じて人間的にも仕事的にも成長を遂げ、最終的にはトヨタ自動車の技能オリンピック(メカニック部門の最高峰)で優勝するまでを綴っています。

実はこの本、もしドラを購入したときに、すぐ近くに陳列してあり、デザインの可愛さとタイトルのおもしろさで買った本でしたが意外にも”大当たり”。車好きの人が書いただけあり、章立ても車に沿った内容になっていて、あまり車に興味のない私でも興味深く読むことができました。

第一章が、550CC:走り始めた軽自動車なボク から始まり、第二章が1000CC:ブレーキがかかった「ヴィッツ」なボクとなって、第三章では1600CCの峠を走り抜ける「レビン」なボク で最終章(第四章)は2500CC:加速を増したスープラなボクのような、車好きにはたまらない展開です。

 ストーリーとしては、先輩社員の「石田さん」との触れあいを通して、プロとしての仕事の考えをたたき込まれていくわけですが、この「石田さん」という人の教え方が実にうまい。

出だしの部分で、著者が乗っている車を聞かれ、レビンのオートマであることを明かすと、「オートマに乗って何が楽しいんだ、勝手にギアが変わっちゃうんだぜ、お前、他人に勝手にギアチェンジをさせられるような人生がいいのか?」といういきなりのキラートークから始まります。

そこから始まり、晴れの日ほどワイパーを動かす理由であったり、コミュニケーションをホイールバランスにたとえたり、工具にこだわる理由等、いろいろな現場の事例を引用して、仕事の神髄を著者に教え込んでいきます。

自動車業界の方だけでなく、全てのビジネスパーソンが読む価値のある「プロフェッショナルとは何かがわかる」一冊です。特に部下後輩指導で悩んでいるリーダークラスの方にはおすすめです。 

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