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カレーの経営学


出版社: 東洋経済
著者: 井上岳久

 

最近、マーケティング系の研修が徐々に増えてきた。この仕事は、今企業の直面する課題を「研修ニーズ」といったもので感じることができる。モノが売れない時代といわれているだけに、いかにしてヒット商品を出すのかは勿論、大局的な観点からすると、いかにして市場の変化に速やかに且つ適切にとらえていくかが重要な課題といえよう。

 

当該書籍は、横濱カレーミュージアムの館長を務め現在はカレー総合研究所の所長である無類のカレー好きの著者が、カレーという国民食をベースに書いた「経営、マーケティング」の指南書である。マーケティングの理論は、一通り勉強はしたが、なかなか実践で活かせないと思っている方には、超オススメの本である。

 

今回主に「ハウス食品」のことを中心に取り上げているが、ハウス食品のことではだけなく、競合である江崎グリコヤS&B、はたまた中村屋やCoCo壱番屋のことにまで言及している。カレーという広大なマーケットの中で、何故ハウス食品が勝ち続けられるのか?これまで、特定の会社や商品をベースにした経営、マーケティング系の書籍は数多く読んできたが、理論と企業事例のバランスも良く、マーケティングの基礎を勉強した人であれば、グイグイとその内容が入ってくる。

 

全7章から構成されているが、やはり興味深く読めたのが、第3章のマーケティング戦略と第5章の競争戦略の部分である。アンゾフの多角化戦略やマイケルポーターのファイブフォースモデルの実例引用がわかりやすく、フレームワークについて「腹おち」させるには最適の題材が掲載されている。

 

カレーはラーメンと並ぶ国民食ではあるが、それを維持発展させるために、業界としても様々な仕掛け、例えばカレーうどんやスープカレー、カレー鍋などのムーブメントを起こしてきている。

 

また、ハウス食品をみていてわかったのは、ヒット商品だけでなく、バーモンドカレーヤジャワカレー、ククレカレーなどの「ロングセラー」があること。これは勝ち続ける会社に共通していることでもある。

 

実践的なマーケティングを勉強したいと思っている方、必見です。

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