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プレイングマネジャーの教科書


出版社: ダイアモンド社
著者: 田島弓子

ここ2回続けて。小室淑恵さんの管理職向け書籍、「6時に帰るチーム術」や「『3人で5人分』の仕事を無理なくまわす!

を紹介した。このことについて、ブログの読者であるクライアントから、仕事のメールに絡めて以下のような内容のコメントをいただいた。

 

「2冊とも読んだ。参考になった。ただね、、、プレイングマネジャーとして、本に書いてあったことの理屈はわかっているんだけど、なかなかうまくいかないなぁ。やっぱりコミュニケーションの絶対的時間が不足しているというか、効率よくコミュニケーションをとる努力はしているんだけどね。参考になる書籍があったら紹介してよ」

 

家政婦のミタさんではないが「承知しました(苦笑)」ということで、ちょっと前に読んだ本だが、タイトルもズバリ「プレイングマネジャーの教科書」を紹介したい。サブタイトルは、「結果を出すためのビジネスコミュニケーション58の具体策」

 

著者の田島さんは、マイクロソフト日本法人で数少ない女性営業部長として、チームをまとめ社内表彰を何度も受けてこられた方だ。バリバリのキャリアウーマンという感じではなく、どちらかといえば大人しい、一歩ひいてしまうようなタイプ。その大人しい感じの女性が、一筋縄ではいかないといわれるマイクロソフトの人たちをまとめあげてきたのが 「ハブ型マネジャーシップ」 というもの。

 

ハブ型マネージャーシップとは、複数のパソコンをつなぐネットワーク機器の「ハブ」から由来している。マネジャーが自己主張をするよりも、メンバーの様子を観察しながら個性と個性をつなぎ、チーム内をこまめに行き来してまとめあげ、調整し、道筋を図っていくというスタイル。勿論、上司と部下の間に立って翻訳者のごとく両者の”ニーズ”の調整もする。

 

この「ハブ型的なコミュニケーション」については、他の書籍でも似たようなことが紹介されている。このことがわかっててもなかなかできないのは、マネジャー自身が「人の上に立つ」「デキル上司と思われなければ」という固定観念に縛られているからと、著者はやんわりといっている。あくまでコミュニケーションの基本は、指示や指導ではなく「話を聞き、状況を観察する」ことを主体として、メンバーと信頼関係をつくっていくことが大切であると著者は解説している。

 

また現状においてプレマネが抱えている、業務量の負荷が大きく、時間的な余裕がないプレイングマネジャーに、仕事の流れ・仕組みを変えることを冒頭から勧めている。テクニカルなことも大事だが、基本的な考え方を変えることはもっと大事である。

 

 

どう変えていくのかというと、日々のコミュニケーションを「パターン化・習慣化・仕組み化・マルチタスク化」することで→部下やチームメンバーの自立を促し→上司や他部門に情報が行き渡り、協力を得やすくすることで→プレマネの負担を減らし→本来のマネージャー業務に力を入れられるといった流れだ。この流れを遂行するにあたっての、具体的な方法について、明日から即使える手法が掲載されている。

 

切り口も面白く「5秒でできるコミュニケーション」「クセモノ&苦手な人対策」など、時間がなくまた年上の部下を抱える人がぶつかりそうな問題に対しても、こと細かく取り上げている。

 

印象に残ったのは以下のポイント。

〇上司とは部下に対し、指導よりフォローに注力すべき

〇組織における優秀な人とは、「人を動かして結果を出せる人」

〇すぐに使えるメソッドを繰り返して、コミュニケーションに慣れる

〇有効だったコミュニケーションを仕組み化する

〇コミュニケーションをタスクとして可視化し、日常業務に取り入れる。

〇心を込めたコミュニケーションをおこなうために、ビジネスライクな仕組みを作っておく

〇根回し→自ら突破口→情報共有→筋道つけ

〇「たまの名セリフ」よりも、「日常会話の5秒の積み重ね」のほうが後々効いてくるもの

〇聞き上手になるためには「話しかけられ上手」になること

〇ネコパンチ→パンダエルボー→ウマキック

〇「部下のための30分」もスケジューリングする

〇部下のために自分のスケジュールを公開する

〇デッドラインは「あいさつ」でリマインド可能

〇プライドの剣には、ロジックの盾で返す

 

 

通読して改めて感じたのだが、忙しいときはやはり「急がばまわれ」

しくみづくりは大切だと思った。

 

また読み終わって、再度本の帯をみたときに、ハッとした一言。

「プレイングマネジャーのコミュニケーションは、『人付き合いのスキル』ではありません。人を動かして結果を出せる人間になるための『業務指向型』コミュニケーションです。」

 

確かに、そうかもしれない。基本的な概念を変えていく必要がある。

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